住吉区の地域と人々の暮らしを見守る若松神社に行ってみよう!

みなさんは、住吉区で有名な神社と言えば、どこを思い浮かべるでしょうか?多くの方が住吉大社と答えるでしょう。ただ住吉大社だけではありません!住吉区にはまだまだ神社が数多く存在します。

今回は、「止止呂支比賣命神社(とどろきひめみことじんじゃ)」、通称「若松神社」について紹介していきたいと思います。

神社の名前の由来は?

止止呂支比賣命神社(とどろきひめみことじんじゃ)という名前は、一体どのような経緯でつけられたのでしょうか?

実は、名前の由来には諸説あります。1つめに、稲田姫が「トドロキヒメ」という名前で呼ばれていたことが関連しているという説があります。稲田姫は、アマテラスの弟の妻で、農耕の神とされていました。

2つめに、境内にある川のせせらぎが「轟く」ところから由来している説があります。

3つめに、境内にある池にかかっていた橋が、「トドロキ」という名前だったことから由来している説があります。

これら3つが有力な説とされていますが、実際のところ、どういった経緯で名前が付けられたのかは不明のままなのです。

若松神社の歴史

実は、若松神社の御創立の年代は不明です。ただ、若松神社は、もともと住吉大社の奥の院であったとされています。「奥の院」とは、寺院において、本殿よりもさらに奥にある建物のことを指します。霊像や秘仏が安置されている場所です。

また、後鳥羽上皇ともかかわりが深いとされています。承久三年に、後鳥羽上皇が熊野詣でを装い、墨江の里に行幸しました。その際、神社に広がる松林の中に、若松御所を造営しました。このことから、別名「若松神社」とも呼ばれています。今も地元の方は「若松さん」の愛称で呼ばれています。

夏と秋に行われるお祭り

少し話は脱線してしまいますが、みなさんはお祭りがおこなわれるようになった由来をご存じでしょうか?実は四季によって異なる願いが込められています。

春は、「豊作祈願」や「無病息災」の願いが込められています。夏は、害虫による作物の被害や、台風などを追い払う願いが込められています。秋は、作物の収穫にともなう「感謝」、冬は新たな年を迎える「お祝い」の意味が込められています。

若松神社では、夏と秋に祭りがおこなわれており、敷地内にたくさんの出店が出店します。毎年多くの方でにぎわいます。

夏祭りは毎年7月中旬におこなわれ、今年はすでに終了しました。秋祭りでは、開催前に神輿渡御(みこしとぎょ)という行事が開催されます。神輿(みこし)をかつぎながら地域を練り歩くことで、人々の安寧を祈願し、毎年10月7日、8日におこなわれています。今年の日程は、公式ホームページで確認してみてください。

神社と相撲?

実は、若松神社には相撲部屋の宿舎が存在するのです!元関脇の安芸乃島(あきのしま)が親方として、高田川部屋を経営しています。春になると大阪場所が行われるため、高田川部屋のお相撲さんが若松神社に訪れます。運が良ければ、お相撲さんが地域を歩いている姿を見ることもできます。

実は、住吉大社も相撲と関わりがあります。大阪春場所前には、横綱による奉納土俵入りがおこなわれており、こちらも相撲ファンを中心に人気の行事となっています。このように、住吉区は相撲と深いかかわりを持っているのです。

地元と密接した神社

若松神社周辺は住宅や飲食店などがあり、人々の暮らしの場に密接しています。決して大きな神社ではありませんが、新年は、多くの方が参拝に訪れます。若松神社は、人々のくらしを見守るような存在なのです。

若松神社は、住吉大社とゆかりがある神社であり、その歴史も古いのです。今もなお、地元の方からも愛されており、これからも住吉の街をそっと見守り続けてくれるでしょう。まだ、訪れたことのない方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

若松神社
住所:大阪府大阪市住吉区沢ノ町1-10-4
TEL:06-6671-0443
アクセス:南海高野線「沢ノ町駅」徒歩約1分

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。